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23 2017

新しい花

毎日、違う国の違う人になって、目覚めてみたい。
少女でも、老人でもいい。
そうして初めて会う人に、ずっと昔からの知り合いのように朝の挨拶をしたい。
毎日、新しい花の名前を知りたい。
オルゴールの短い曲が終わるように1日はあっというまで
おやすみなさいとさようならを唱えベッドに着く。
何もかもを忘れて目が覚めて、
けれども、鞄の中のノートに描かれた花の絵は少しづつ増えてゆく。
明日違う国の違う人で目覚めても
明日の私はそのことを知らないならいいな。
07 2017

夜のお話

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耳を澄ませてごらん。
きみがベッドについて目を瞑る時刻、亡霊たちが柔らかなローブをひきずる音が聞こえてくるよ。
夜の街は、亡霊たちでいっぱいだ。
町中の路地という路地を歩きまわっているんだ。
おや、怖がっているの。
亡霊の中には、きみと友達になりたい子供もいるのに。
あれ、毛布の中にかくれてしまった。
なにもこわがることなんかないのに。
おじさんのお話をきいたら、亡霊なんてこわくはなくなるよ。
ほら、毛布から耳だけだしてあげよう。
これならへいきだろう。
おはなしの、はじまりはじまり。
10 2017

うちうじんさん へ

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うちうじんさん へ


うちうじんさん、こんにちは。
あなたはにんじんきらいなのでしょう。ぼくもです。

むかし、てれびでうちうじんさんのことを
みたときは、とてもこわかった。
きみはぎんいろで、ひとにきんぞくをうめこんだりする
おっかないいきものでした。
でもほんとうの、うちうじんさんは
ふあふあで、やさしいしずかないきものでしたね。

でも。
あなたは、ほかのひとからみたら、
ふつうのにんげんのすがたにみえるのですね。
ぼくには、あなたはふあふあのしろいけにおおわれたすがたにみえます。
ほんとうに、そうです。
どうか、ぼくがほかのひととはちがうことをしんじてください。

うちうじんさん、あなたには
ぼくはどんなふうにみえますか。
ひとのすがたに、みえますか。
でもぼくは、
ぼくも、
うちうじんだったのです。
ぼくは、おおきくなってから
それをしりました。

ぼくは、がっこうのおくじょうでだけ
ほんとうのすがたにもどります。
ぼくのすがたは
ひとでいるときよりも
みにくいかもうつくしいかもしれません。
おなじうちうじんでも、あなたのようなうつくしいうちうじんかはわかりません。

あなたはいつか、こきょうのほしを
みつけられたらいいですね。
きっとあなたのように、しろくてうつくしいほしだとおもいます。

ぼくは、よくおくじょうにいます。
よかったら、ほうかごおはなししたいです。


U
より
05 2017

ふらんけん

昔むかしきみ白いけものだった頃 ぼくはまだ生まれてなくて

カーテンは風の形を教えてくれる 春に触れれば春を知り

夕暮れに捨てられた猫 いつの日か優しい少女に生まれるでしょう

夕ぐれゆらゆら幽霊達が 揺らすよゆりかごゆううつなゆめ

ふらんけん きらわれもののきみがすきやさしいうたをうたってあげる

すこしづづはなれていったいつからがさよならなのかわからないまま

しぃっ静かにおしいれの戸を閉めて 瞼閉じれば世界はひとつ

もうみんな忘れてしまったことばかり 空に明日も昨日もない



13 2017

海のバス

寂しい不安な気分で見る夢は、海の中を往復するバスの夢。潮が引いている間に急いで海岸を出発し、到着間際に潮が満ちて、波にさらわれそうになる。
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