屋根裏の羊

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夜のお話

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耳を澄ませてごらん。きみがベッドについて目を瞑る時刻、亡霊たちが柔らかなローブをひきずる音が聞こえてくるよ。夜の街は、亡霊たちでいっぱいだ。町中の路地という路地を歩きまわっているんだ。おや、怖がっているの。亡霊の中には、きみと友達になりたい子供もいるのに。あれ、毛布の中にかくれてしまった。なにもこわがることなんかないのに。おじさんのお話をきいたら、亡霊なんてこわくはなくなるよ。ほら、毛布から耳だけ...

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うちうじんさん へ

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うちうじんさん へうちうじんさん、こんにちは。あなたはにんじんきらいなのでしょう。ぼくもです。むかし、てれびでうちうじんさんのことをみたときは、とてもこわかった。きみはぎんいろで、ひとにきんぞくをうめこんだりするおっかないいきものでした。でもほんとうの、うちうじんさんはふあふあで、やさしいしずかないきものでしたね。でも。あなたは、ほかのひとからみたら、ふつうのにんげんのすがたにみえるのですね。ぼく...

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透明人間たち

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午前中の人のまばらなカフェには透明人間たちがいる。透明人間たちは、ひとびとの間、時間の間にたゆたっていて、皆とても大人しい。透明人間たちは、彼らが強く身体があることを感じた過去のある瞬間に、身体を忘れてきてしまっている。夕立の中を思い切り速く走った瞬間。子供の頃に抱きしめられた瞬間。恋人に頬をはたかれた瞬間。その瞬間の感覚は今も透明人間たちに響きつづけていて、彼らの目はそのときを見続けている。透明...

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紅白園

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えー、つぎの檻、それは、人間になろうとしてなれなかったものです。はい、床に広がっている白と赤のどろどろしているそれです。そいつは、かつては幼児ぐらいの大きさと形でした。昔は、言葉を教えていた時期もあったのですよ。人の言う通りに言葉を反復しようとしたりよく世話をしてくれる研究者のあとをつけたりもしていました。顔は白くて、棒でついたような二つの小さな穴が空いているだけでしたけどなんとなくけなげな様子で...

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「ホラ、」ズーはトトの手をつかむと、手のひらに冷たい何かを握らせた。手のひらを開くと、青く透きとおった小さな欠片があった。「星の欠片だね」そう言ってトトは、青い欠片を街灯の光に透かす。ズーは、内心苦笑しながら、そんなわけないだろと思った。でも、なんにも言わずに、トトをみていた。このガラクタだらけの街の暗闇に、どこか遠い星の欠片があると思うのは悪くなかった。トトは息をするように嘘をつく。トトは嘘を嘘...

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